猫の呟き その63
五月初めに公演予定の子供達のミュージカルに演出アドバイザーとして関わっている。卒業生達が企画し中心になって公演を成功させようと頑張っている。
が、どうも上手くいかない。予定通り進まない。が、それは問題ではない。
初めての大きなイベントが、創造活動が、七十名ぐらいの参加者での創造活動が、上手くいかないのは、予定通りに進まないのは、むしろ当り前、順調に進む事を期待する方が無理、そちらの方が間違っている。問題はその事でなくて、創る事の基礎がまったく分っていなかったという事を自分達でまったく分っていないという事実だ。
卒業生達も小、中学生の頃、ミュージカル公演を何度も経験している。創る事の楽しさ、難しさも体験している。創る事の楽しさ、難しさを体験しているからこそ、そしてその体験が自分達にとって素晴しかったからこそ、それを後輩達にプレゼントしたいと、今度の公演を企画したのだ。従って夢、希望、イメージは沢山ある。頭の中はそれらの夢、希望、イメージで一杯だ。
が、それらを舞台化する為には、小さな子供達の声で、身体で具体化する為には、小さな子供達を材料としてでなく、その小さな子供達が自主的に、喜んで、生き生きと舞台上で動き廻るには、夢を、希望を、イメージを、子供達に理解させ、面白がらせ、まるで自分自身で動き、踊り、歌い、しゃべっているようにさせる方法、技術、稽古が必要だ。子供達の発達条件をきちんと理解し、声かけし、待ってやる努力、根気が必要だ。それがなければ子供達を材料としてしか考えていない、大人がかってにでっち上げた、大人の、大人による子供の舞台が出現する。そんなのは、まったく子供の創造ではない。大人の考えた、都合の良い子供の舞台である。
卒業生達は今のところそれが分ってない。一生懸命にやればやる程、空回り、結果として形だけを押し付けている。その事にいつ気付き、それをどう解決する為に動き出すか。
そうです。やってみると全ての創造は、周りで見ている程簡単なものではないのです。一つ一つの具体的作業の積み重ね、条件をじっくり観察し、理解し、あたえられた条件の中で最高のものを創り上げる、地味な、根気と努力と集中力と体力とが要求される、具体的な行動の中で、具体的な創造物を作り上げる活動なのです。
結果だけにこだわらずに、それに気付いて欲しい。
五月の公演まで、その願いが、私の行動力の源泉です。
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