先日、第一回目の「門付け」をした。(以前に似たような事は何回かしたが、それはあくまで「くすのき」公演の一環であって、今回のような意図を持った「門付け」とは異なっている)

終ってまず心に浮んだのは「いつもの公演と、そんなに違ったものではない」という印象。目と鼻の先に観客が存在する。こちらの演技を観ている目力、呼吸の音までが手に取るように目の前にある。それはいつもの「公演時」の何倍もの存在として目の前にある。しかし、私と「観客」とのキャッチボール。共同作業は今までの「公演」とまったく同じ。私の集中力、創造意欲、働きかけと、「観客」の集中力、創造意欲、働きかけとの真剣勝負。

しかし、又、大きな違いをも感じた。その真剣勝負が一対一の勝負。つまり「観客」という固まりとの勝負、共同作業ではなくて、私と、そこに参加して下さった一人一人との真剣勝負、共同作業である事。

「だって、それは同じでしょう。それは「公演時」だって一人一人との勝負、共同作業ですよ」

たしかに「建て前」としては、その通り。しかし、「門付け」の時の一人一人との勝負、協同作業とは同じではない。はっきりと違っています。

その同じで、違うものを、どう区別し、統一していくか。第二回目からの一つの課題として、私の内に残りました。

濃い、密度の高い、共同作業の時の流れ、それはまったく強烈な印象を、私にあたえました。「また、あの強烈な時間を体験したい」第一回目を終了した、わたしの偽らざる感じです。

第一回に参加して下さった方々、それを準備して下さった方々、本当にありがとうございました。又、いつの日か、よろしくお願いします。