「稽古は裏切らない」

九月七日(土)「しんとく丸(弱法師)」の公演があった。この作品は八月の福島県喜多方発21世紀シアターで上演したもの。おかげ様で良い評価を得ました。しかし、「もっと良いもの」を常に目指すのがプロ。その意欲が無くなった時は、引退するか又はアマチュアで楽しめば良い。

前日仕込み後稽古をし、当日朝八時に会場入りして八時三十分より稽古。良い出来だ。しかし、後半が少し弱い。後半をもっと仕上げれば数段良い舞台になる。さて、どうする。公演当日ともなると、やるべき仕事は山程有る。「写真撮影が終ったら、後半ちょっと稽古するか」「私も後半決ってない所があるもんで、稽古してもらおうと思っていたんです」「よし、では・・・」そして撮影開始。が、なかなか終わらない。芝居はどんどん進んでいく。そして後半「よし、そこからは止めながら稽古するよ」そして客入れ時間を気にしつつ、しつこく、じっくりと稽古。数段良くなっていく。「決ってなく、不安に思っていた所が分かりました」

そう、舞台は役者が自分で考え、創り、生きる所。演出はそのお手伝い。だから自分で納得出来るまで、とことん稽古を。次の次の日、台風一過の早朝、公園での体操をしながらの観に来て下さった方達の感想「よかった!」「素晴らしい!」「病後なので家内にも息子にも観に行く事を反対されたのだが、行って良かった。パワーを貰いました」「すごい迫力!」

ありがとうございます。励ましのお言葉素直に頂いて、これからの公演の糧にさせていただきます。

そうです。稽古は自分を、観客を裏切らない。嘘を付きません。