報告、そして決意
坪内逍遙訳「シェークスピア全集」(新樹社)読了。
「ロミオとジュリエット」「マクベス」条件が適うなら公演してみたい作品。年齢に関係なく、バイタリティがあり、スピードがあり、意欲があり、しかもそれを表現に具体化する為の努力を惜しまぬ人間が集まるなら、面白い舞台が実現するだろうし、又その自信も有る。少人数で、スピーディーに、そしてダイナミックな舞台・・・。人間いくつになっても「夢」は見続けていたいもの。
「コロナ非常事態下」の三ヶ月間を経て、今痛烈に感じている事。
私の若い時分、「毎日オリオンズ」(今の「ロッテ」の前身)に榎本喜八という一塁手が居た。地味だが、「安打製造機」と呼ばれたぐらいの名手。何故だか知らないが好きだった。
その榎本選手が引退後の話である。引退後も毎日毎日バットを振り続けていた、練習に余念がなかったとの事である。
もし、どこかの球団から声を掛けられたら、すぐに出場出来るようにと・・・彼はすでに引退したのである。普通なら、プロ時代の事は過去。いわゆる、残りの人生、悠々自適を決め込むだろう。しかし、彼は、プロ時代と同じ練習に余念がなかった。
もし、声がかかったら・・・そう、そうなのだ。彼は「職人」なのだ。引退しても毎日練習に打ち込む。彼の気持、行動が、職人である、職人で有りたいとする、私にはよく分かる。
世間は、他人は、彼を榎本喜八を変人という。変わり者という、そう、彼は「変人」変わり者なのだろう。しかし「仕事」とは職人とはそういうものだ。「これが私です」その矜持こそが、その打ち込みこそが職人の「宝」なのだ。その為には、その誇りを保つ為に彼はどんな状況の下でも、ただ黙々と、稽古に、練習に励まなければならないのだ。
「祭」が復活する日まで、生と生との交流が復活する日まで。
それが、いつの日、いつの頃なのか、それは誰にも分からない。もしかして、それは永久に来ないかも・・・
その頃、私の体力は、気力は、創造力はそれが可能な状態であるのだろうか・・・。
でも私は励む。榎本喜八選手を目標にして・・・。