さようなら・・・ありがとう

二年弱続いた「くすのき演劇研究室」も、今回をもって終了する事となりました。

さようなら、そして、ありがとう。

これが今の私の偽らぬ気持です。今という時代が、コロナ禍の中で、拡大されて、鮮明に見えました。

ロスを省いて、目的を狭めて、速く、速く、速く!

それに対して私の立てた方針は、ゆっくりと、廻り道をして、一歩一歩確かめながら・・・。

「基礎の基礎」を面白がってくれた事(参加者があんなにも沢山集まるとは!)の驚き。

そして、ある程度予想してはいたが、『与えられた「課題」を自分で創って来る』という、当初から目的にしていた段階に至った時の参加者の激減。

働きながら、自分が所属する劇団活動を最優先しながら、今の自分の巾を広げ、豊かにする為の「試み」を、定期的に、具体的に、持続し続ける。

時間的にも、体力的にも、全てにおいて無理は予想していましたが、現実はその予想をはるかに上回って・・・。今の私の条件(年令、その他)からすれば、この形での「試み」は一応終了とする事が正解。それが「生きる」という事。

これからはまずは、自分の土台である「くすのき」の活動を再点検する事によって、今の条件下で自分の考えを具体化する事を一歩一歩、確実にすすめ実践していきたいと思います。

「自分の得たもの。学んだものを次の世代にバトンタッチ」という課題も、その中から具体的方法が見えてくるでしょう。

無理は禁物!

では、又いつかどこかでお逢いいたしましょう。

それまでは、お互い、元気にそれぞれの人生を楽しみましょう。

終りに、今回、幻に終った「くすのき演劇研究室」の呼びかけ文をお届けします。

 

「いよいよ本番」

2018年11月から始まった「くすのき演劇研究室」も、コロナ騒動での中断はありましたが9月12日をもって一区切り。

「基礎の基礎」から始めて「立ち稽古」まで。よくぞ、ここまで付き合って下さいました。心から御礼申し上げます。

この間二年弱、皆様との「試み」の中から「創造」とは自分の可能性を具体化する事だという事がよくわかりました。

「何かを教えてくれるだろう」「何かを与えてくれるだろう」は駄目。

「私はこう思う」「私はこう創った」「さあどうだ勝負しろ」

そうです。そこには確かに上手い、下手はある。でも、それは過程。固定されたものではない。

人間に可能性が有る限り、可能性を信じる限り、もっと豊かな、もっと面白い自分を表現する為に立ち向かってみませんか。 

条件の比較的恵まれた人、厳しい条件の人、色々有るでしょう。でも、その条件の下で、自分を冷静に見つめて、自分の条件を判断して、その中での可能性を、あなたの今有る可能性を追求し、具体化してみませんか。

教材としてA・チェーホフ「ねむい」「かよわき女性(おんな)」を用意致しましたが、それには拘りません。30分以内の作品であれば、自分の創りたい作品を用いてもかまいません。ぜひ、自分と、私と勝負してみませんか。そうした「冒険者」を是非お待ちしております。