次と、その次と

先日「吾輩は猫である」の稽古をスタッフに観てもらった。具体的なアドバイスを貰い、今回の方針が明確になった。そして来年の五月十五日の公演に向けて、その方針に沿って・・・そう、後は稽古有るのみ。日曜日を除いて、一週間で全部が終るように計画を立てる。(勿論計画通りとはいかない事は固(もと)より承知)稽古していて感じるのは、驚く事は、兎に角、口の動きの鈍く、悪くなった事。しゃべる事も、色々の筋肉を使っての事。だから年を取ると衰えるのは理の当然。その結果、有る時間しゃべり続けると、疲れからか衰えからかアーティキレーションが悪くなってきて、自分の思っている通りに口が、舌が動かなくなる。(あーあ、年を取るとは、こういう現実を目の前に突き付けられる事なのだ。)ならば、舞台に立ちたいならば、やるっきゃない。稽古、稽古、も一つ稽古。とにかく稽古を通して、口、舌の筋肉を鍛えねば。能書きはその後で。俳優学校時の様に口をしっかりと開けて、はっきりと、はっきりと。面白いもので、稽古を重ねていくうちに、セリフが最後までハッキリと言えるようになる。稽古、稽古。(大谷君ありがとう。)

「吾輩は猫である」の次の「マクベス一代記」ようやく台本が出来上った。台本を作り、テープに吹き込み、台本を直し、又吹き込み。これを何度繰り返した事か。(自分のセリフを、こんなにも真剣に聞き続けたのは久し振りだ。)何とか一時間以内に納まった。さて、これをどう演技で面白くしていくか。まずはセリフを覚えて、それからじっくりと・・・

次と、その次と。それ以降は考えない。(でもやりたい作品は沢山有る。)一つ一つを大切に、「舞台上でさようなら」を言えるつもりで。人間、年と共に考えも、行動も変っていくものだ・・・まあ、当り前と言えば当り前の事。