「待ってくれーッ」
式亭三馬原作「四十八癖」の台本作りが済み、次の段階「暗記」へと進む。
・・・ム、ム、ム、ム、ム・・・
何と、記憶力の心細い現状よ・・・
今年上演した「銀河鉄道の夜」の時も、記憶力の弱くなったのにあたふたしたが、それでも以前三人で上演した実績もあり、何とか乗り切れたが、今度は「あっと驚く為五郎」中々先へ進めずに初っ端の「女房をこわがる亭主の癖」を来る日も来る日もウロ、ウロ、ウロ。読んで十五~六分ぐらいの作品だが何と覚えるのに約一ヶ月かかった。この計算で行くと、全部覚えるのに何ヶ月かかるやら、そして覚えた後に演出をして、動きを考えて・・・となると上演へたどり付くのは・・・。
そう、記憶力の衰えのスピードはこの年になると多摩川の流れの幾倍にも・・・。となると・・・
来年の事を考えると恐ろしくなる。
でも、これが現実。今の私の有りのままの姿。
そうとなると、後は、やるか、止めるか・・・。二つに一つ。
生きるとは今の現実の中の自分とどう向き合い、どう毎日を送るか・・・。
難しくもあるが、やさしくもある。
ようは、その現実を受けとめて、さあ、どう毎日を過すのか・・・。たった一度の人生。
とにかく、今は先へ進もう。
そう、今。
今の先に明日がある。

