全身全霊全てを用いて

久し振りに子供達と舞台を創っている。

自分達で創るので、アドバイザーとして手を貸してくれとの事なので引き受けた。

六月から十二月一日の本番まで十一回。月に約二回の勝負。 

最初の頃は何人かを除いて殆どが受身。(今までの付き合いで何人かは自分で何かを創ろうとしていた。)

指導の一環として、一つの例として演ってみせる。と、その表面を真似ようとする。

「そうじゃない。自分で創ってごらん。今大多和さんが演って見せたのは、一つの例。こうゆう演り方もあるんだよというだけの事。いい、舞台は自分で創るの、台本をよく読んで、演出の言う事をよく聞いて、仲間の稽古をよく見て、皆んなで、一つの舞台を、お客さんと一緒に創るの。だから、お客さんも一緒に創れるように、ちゃんとセリフを言って、お客さんに分かるように演技をするの。自分達だけが分かっていたって駄目。お客さんも一緒に創るのだから。」

毎回毎回同じ事の繰り返し。(そう見えた。)

でも違っていた!

そう、先日の稽古事のコーラスで参加して下さる大人達の感想。

「私も子供達と一緒の舞台に何回か出演させてもらっているが、こんな自主的な子供達には久し振りです!」

そして黒子として参加しているお母さん達の感想。

「すごい!ちょっと前とはすっかり変って、皆んな生き生きとして。私も負けないように頑張ります!」

そうです。子供の自主性を侮ってはいけません。

子供達は自主性を尊重されていないので、普段は「受け身」だけが目に付くが、自主性を確保し尊重すれば、こっちがびっくりするような表現を創る。

そう、待つ事です!子供達が自分達のペースで創れるように。大人のテンポを押し付けるのは最悪!

十二月一日の発表を目指して、もう一踏ん張り!

全身全霊、自分の全てを用いて創る事の面白さを味わって欲しい!

・・・ありがとう・・・