演るなら、努力し続けろ

「マクベス一代記」どうやら覚えた。昨年、毎日毎日、嫌になる程テープを聞き続け(その為に筋は完全に自分のものになった)

正月早々、手書きで稽古用台本を作り(今になってみると、この作業で随分とセリフが自分のものになったようだ)

週半分は「吾輩は猫である」の稽古(今年五月公演予定の為の稽古)

そして後の半分は「マクベス一代記」の稽古(これは来年上演予定の為の稽古)。

よくも飽きずに毎日清水公園へ通ったものだ。

そう、この年になれば、若い頃とは全て違う。

二十代、三十代の頃はセリフを覚える苦労なんて実感が無かった。セリフは自然に(自分の感覚では)覚えられた。

それが六十代になり、七十代になり、まもなく八十才。

意識的に、しかもかなり努力しなければ、セリフは覚えられない。自分のものとはならない。

身体の衰えも脅威だが、記憶力の衰えも、毎回毎回、次は大丈夫なのだろうかと脅しをかけてくる。

創り続けるとは、その脅しとの対決、そして具体的、しかも今の状況下で、最上の方法を見付け、実践する行動力、持続力、意志の発露・・・。

やりますよ、これからも。ええ、だって、好きだから。創り続けたいから。それが一番うれしい時間の過し方だし、幸福だから。

マクベス、マクベス夫人、バンクォー、王、その他様々の人物をどう創り、どう話を進め、面白い舞台を創るか。

これらは全て「吾輩は猫である」が終ってからの事。

まずは第一期終了、土台作りは出来た。