変わった

何かが変わった。あの病気の後。始めは分からなかった。微かに「あれっ」と思った。

しばらくたってから「ふうん・・・」と思った。そして今は「成程」と納得がいった。

今を、毎日を、その日その日を楽しんでいる。

今から考えてみると、以前は「目標」に向って毎日を過していた。直近であれ、何ヶ月、何年先であれ、自分で設定した「目標」に向って、今を、毎日を、その日その日を過していた。

でも、あの病気後、変化が起きた。変化を来す程、その衝動は大きなものだった。

兎に角、動けなくなったのだ。「あれ、何だか変だぞ」と思っている内に、段々とその感じが拡大していって、まったく動けない状態に。それが「吾輩は猫である」公演の約一ヶ月前。焦るよりも、茫然、絶望。力が抜けてボンヤリ。

が、良き医師にめぐり逢い、努力の甲斐あってどうにかこうにか公演は実現。

が、昨年の秋口に、薬の減量が早すぎたのが元で、リバウンド。

怖かった。本当に怖かった。

そして今、毎日を楽しんでいる。早朝のトレーニングも、夕方のトレーニングも、読書も、稽古も、何もかもが楽しい。

勿論、総ては公演の為、お客様との協同作業の為にある。でも、人生明日は誰にも分からない。保障無し。人生は総て中途半端で終るもの。

だから、「目標」を設定しても、それに向って動き出しても、それが総てではない。

そう、今を、毎日を、その日その日を楽しもう。精一杯に。自分の力量、条件をしっかりと認識して、一歩一歩、一足一足を楽しもう。

変わった。何かが、確実に変わった。